π型アッテネーター設計プログラム  JavaScript編

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 アッテネーターのJavaScriptプログラムをリリースします。アッテネーターは回路上で非常に多く使われ、減衰量とインピーダンスに対する抵抗値の資料は多いのですが、具体的な計算方法の資料は以外と少なく、このプログラムの参考資料を探すのにも結構大変でした。   参考資料「アンテナと測定器の作り方 CQ出版社」 

 アッテネーターは「減衰器」とも呼ばれています。通常増幅器の入力側には規定の入力電圧を加えなければならず、この規定よりも大きい場合はその増幅器の出力が歪み、あるいは最悪の場合壊れてしまいます。

 今貴方が使用している機器の出力が歪んでいる場合は、その入力の部分にアッテネーターを挟みこんでみてください。かなりの割合で改善されます。

 入力をいくら大きくしても出力には限界があり、入力の限界を迎えたら信号は歪みます(飽和領域での動作)。理由は出力の限界を迎えたら、その出力を一定にしてしまう(それ以上大きい出力を出す力が無い)ので、飽和した入力信号は大きくした分だけ圧縮して出力してしまうためです。例えてみれば、「電気の便秘」みたいなものです。

 増幅器は直線領域と飽和領域とに分かれ、直線領域を越えた領域が飽和領域になります。直線(リニア)の部分を利用して設計したものがアンプであり、飽和領域を利用して設計したものがスイッチング(トランジスタでのダーリントン接続、オペアンプでのコンパレータ)に使われます。

π型のアッテネーターの構成


入力>----------Rh---------->出力
|               |
|               |
Rv         Rv
|               |

|               |
GND>---------------------->GND

            
 信号ラインの直列でRhの抵抗1本と、アースラインとの並列でRvの抵抗2本の構成となっています。この抵抗の組み合わせの形がΠ(πパイ)の形に似ているのでπ型アッテネーターと呼ばれています。Rvの抵抗は同じ値です。

抵抗値の計算
インピーダンスΩ   減衰量dB     

RhΩ    RvΩ
 この結果は理論値から小数点2桁を四捨五入した値であり、現実の抵抗の値は理論値から近い物を選ぶか(注意:Rvの値はインピーダンスよりも必ず大きい値にしてください。)、又は、この値に近づけるように抵抗を組み合わせてください。
現実の抵抗を組み合わせた場合のSWRの計算
インピーダンスΩ   RhΩ  RvΩ  

SWR       
 現実の抵抗を繋げた場合のSWR(定在波電圧比)を求めるプログラムです。この値が1に近い程、整合が取れています。実際の所、上記の理論値から近い抵抗を単品で繋げても殆ど問題は無いのですが、回路にこだわりを持つ匠の技術者の場合はやはり抵抗値を近づけたいと思う気持ちもわかりますので、このプログラムも参考として付け加えました。

このページのプログラムは無料ですが、著作権は全て大川秀康に在ります。

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